(回想) IUが日本に上陸したあの時

今となってはTOPアーティストとして君臨しているIU。
2008年に15歳でデビューした時、バラード歌手として売っていく予定だったが、どうやっても「幼い」「カワイイ」が先行し、さらに若いアイドルグループの流行の兆しがあった為、ソロ歌手の活躍・認知してもらえる環境が少なかった。

事務所もバラードは早かっただろうと、翌年にはPOPSに切り替え、音楽番組に差し込むことに成功した。さらに翌年バラエティ番組「私たち結婚しました」でアダムカップルが視聴率を取っていた時、なぜかグオンとガイン用の曲を、スロンとIUが歌うことになり、音楽番組1位を取ってしまうというアクシデントもあり、IUの人気がある程度上昇するという棚ぼた効果もあり、その年末にソロ1位が取れることになる。

翌年には、IUの歌声を凝縮したアルバム「Last Fantasy」が発表され、名実ともに韓国内で1位のソロアイドルとなる。まだアイドル枠としての扱いだったが、歌唱力はアイドル以上だったので、この頃からアーティスト方向へ事務所がシフトしていくようになった。

そして、2012年1月ついに日本の渋谷オーチャードホールでIUの日本お披露目が開催された。
19歳の少女のつたない日本語の挨拶がとても心地よく、ストリングスとのハーモニックスは、GoodDay/LastFantasyでオーチャードホール2000人を包み込み、至福の時間を提供してくれた。

この時、これだけの雰囲気を持つアイドルソロアーティストは、日本だけでなくアジアにも居なかった。それだけ存在感が強烈であった。
みんなにも見て聴いてほしいと思いつつ、しかしメディアはKPOPのゴリ押し過ぎて、KPOPファンとしては「もう少しそっとしておいてくれ」という気持ちも多めにあった。

「オススメされる曲より、好きな音楽は探したい。」

大切な物を見せびらかす気持ちより、わかる人と共有したいという思いが強く、実力と露出のアンバランス、需要より供給が多い状態のメディアにファンとしては怒りも感じていた。